2011 年 29 巻 1 号 p. 1_57-1_70
本研究は、モバイル版SNSの典型的なサービスであるモバイルツイッターの主たる利用者である大学生に焦点を当て、その利用がユーザー間の関係性と社会に与える影響の実証的分析を行うことを目的とする。対象として、モバイルインターネットが世界で最も高度に利用されている日本と韓国を選び、両国の大学生において、人間関係や社会的な影響にいかなる効果を及ぼすかを実証的に検証する。分析の結果、モバイルツイッター利用によるユーザー間のコミュニケーションの頻度数は増えたが、実質的な人間関係の変化に与える影響は限られることがわかった。また、フォロワーが多い政治家や有名人などの影響力より、良質の情報を提供するユーザーの影響力の方が大きいという結果となった。このことから、今後提供される情報の内容は、さらに詳細に細分化された専門的なものになる可能性があることが示唆される。