2011 年 29 巻 3 号 p. 3_25-3_36
5つのSNSサービス (Facebook、mixi、モバゲータウン、グリー、Twitter) について、個人情報の開示が利用にどのような影響を与えているのかという視点から分析をおこなった。その結果、既知の友だちが多く個人情報の開示度が高い「強いつながりのSNS」 (Facebook、mixi) と、既知の友だちが少なく個人情報の開示度が低い「弱いつながりのSNS」 (モバゲー、グリー、Twitter) に分かれることが確認された。「強いつながりのSNS」は既知の対人関係、「弱いつながりのSNS」はネット上の対人関係と結びついていた。個人情報のうち属性情報の開示はSNSの利用頻度や友だちの数と有意な相関があったが、識別情報の開示は、既知の友だちの数のみに有意な相関があった。コミュニケーション不安やプライバシー意識とSNS利用の間には有意な関連はみられなかった。