メタン発酵消化液を農地に還元する際の土壌中への浸透性の改善や殺菌の効果を期待して,ビーズミルによる消化液の浮遊物質(SS)の微細化を試み,消化液及びビーズミル処理液の基礎的な性状を明らかにした.消化液のSSの粒径は2~590µmであったのが,ガラスビーズ(径1mm)を用いた処理(RUN-1)では粒径が0.45~105µm,引き続き適用したジルコニアビーズ(径0.3mm)による処理(RUN-2)では粒径が0.19~11µmとなった.消化液で検出されていた大腸菌群数は,RUN-1の処理1hで不検出となった.また,消化液の粘度は約11mPa・s(15℃付近)と純水の10倍程度あり,液温との負の相関も大きかったものの,RUN-1及び2の処理を経た液は粘度が2割程度低下する傾向があった.消化液及びRUN-1及び2の処理を経た液の土壌の浸透性を調べたところ,RUN-1の処理を経た液が最も浸透性が良かった.