農業農村工学会論文集
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研究論文
圃場面傾斜化と履帯転圧と明渠の組み合わせが根雪終日後の表土層の水分量と土壌硬度と地温に及ぼす影響
松田 周向 弘之
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2009 年 77 巻 4 号 p. 411-416

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抄録

北海道の転換畑においては,融雪水による地表面滞水や表層土壌水分の多い状態が長期間持続すると,春先の機械作業が遅れ,農作物の生育遅延や減収に結びつく.このような圃場では地表排水が有効であると考え,地表排水促進効果の高い圃場面傾斜化と履帯転圧と明渠の組み合わせが根雪終日後の表土層に及ぼす影響を体積含水率,土壌硬度および地温の面から検討した.その結果,圃場面傾斜化と履帯転圧と明渠の組み合わせにより,根雪終日後における表土層の多水分状態が緩和することが明らかとなった.さらに,地表面土壌硬度が向上し,日中の地温は明渠だけ施工した圃場よりも2~4℃高くなることが分かった.地表排水を促進するためには傾斜化と履帯転圧と明渠それぞれの単独施工よりも,これらを組み合わせることが重要である.

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© 2009 公益社団法人 農業農村工学会
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