2009 年 77 巻 5 号 p. 491-500
供用中の水利コンクリート構造物では,表面に骨材が露出しているために超音波探触子を密着することができず,超音波法による各種診断を適正に行うことができないという問題がある.本研究では,この問題を解決する手段としてコンクリート表面に媒材を塗布する方法(塗布法)を考案し,塗布する媒材として超速硬セメントペーストとエポキシ粘土が適していることを確認するとともに,媒材を塗布した下でコンクリートの超音波伝播速度を評価する方法を明らかにした.また,反発度法についても検討し,骨材が露出した水利コンクリート構造物で反発度を求める際の打撃箇所と評価式について提言した.