沖縄の島尻地区では,下水処理水を再生し農業利用しようとしているが,海面下に敷設された下水管の破損部分からの塩水地下水の浸入により下水処理水の塩化物イオン濃度が高い.これを下げるには,下水管の更生を行い塩水地下水の浸入を防ぐことが考えられる.これを土地改良事業等の計画に盛り込むには,下水管の塩水地下水浸入区間の総延長を把握する必要がある.本研究では,まず,塩水地下水が浸入する可能性のあるマンホール等での測定により,下水の塩化物イオン濃度や流量等を明らかにした.次に,塩水地下水が浸入している典型的な範囲の塩水地下水浸入区間長を求め,塩水地下水浸入量の比率により全体の塩水地下水浸入区間長を推定した.さらに,一般に利用出来る塩水地下水浸入区間長の推定手法について考察した.