湖沼の富栄養化問題解決のために面源の中でも調査が少なかったハス田群の調査を行った.対象地域は,全国有数のレンコン産地である茨城県霞ヶ浦流域内の低平地ハス田群である.調査結果は,ハス田群からの差し引き流出負荷量は,T-N -3.22 kg・km-2・d-1,T-P 1.87 kg・km-2・d-1,COD 75.36 kg・km-2・d-1,SSは,522 kg・km-2・d-1であった.この値は,「霞ヶ浦に係わる湖沼水質保全計画第5期」で用いられている原単位と比較すると,T-Nが吸収型に働いた以外は,T-P 2.1倍,COD 4.8倍の値となった.流出負荷の大きな原因は,代かき・植え付け時の懸濁態成分の流出によることが大きいことがわかった.一方溶存態成分は流量増加に影響されることがわかった.ハス田群から排出される成分は,末端水路に堆積し,降水時に流出しやすくなることがわかった.