農業農村工学会論文集
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研究論文
手取川山地流域におけるタンクモデルを用いた積雪水資源量の評価
能登 史和丸山 利輔早瀬 吉雄瀧本 裕士中村 公人
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2010 年 78 巻 4 号 p. 265-271

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抄録

本研究は,手取川流域(石川県)において,積雪量調査や積雪モデルを用いることなく,無積雪仮想流量(積雪がないとした場合の積雪・融雪期における河川流量)と実測流量の差異により,流域の積雪水資源量を評価したものである.無積雪仮想流量はタンクモデルを用いて推定した.本流域における手取川ダム築造以前の1976年6月~1979年5月の3ヶ年間の分析結果,積雪水資源量は462mm~1,179mmと推定され,積雪による水資源量の大きさが具体的に示された.また,無積雪仮想流量下では,現在の農業用水の水利権水量を下回る日数が大幅に出現した.

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© 2010 公益社団法人 農業農村工学会
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