上向き浸透流による浸透破壊現象を再現するための遠心模型実験を行った結果,遠心場条件(1G場~50G場)によらずボイリング時の動水勾配はTaylorの限界動水勾配(ic)よりも25%程度高い値を示しており,ボイリング時の動水勾配に対する圧力レベルにおけるスケール効果の影響は小さかった.また,破壊に至るまでの地盤内変状については,ic付近から地盤上層部での地盤変状が見られた.特に,遠心場実験では地盤の不均一性の影響も少なく,全体的な浸透破壊挙動を確認できたことから,浸透破壊問題の実験的考察を行う場合は遠心模型実験が有効であることが示された.