帯水層中に淡水レンズが存在する沖縄県多良間島において,淡水地下水の賦存量を明らかにするため,島内7箇所の地下水観測孔および12箇所の既存井戸において,地下水の電気伝導度の深度別測定および電磁探査を行った.電気伝導度の深度別測定では,電気伝導度200mS/m以下の淡水の厚さを実測できた12箇所における淡水厚は0~7.2mであった.また電磁探査結果の解析により推定された塩淡境界深度は,地下水観測孔における電気伝導度1,840mS/mを示す深度に対応していた.電気伝導度の深度別測定より求めた,電気伝導度が1,840mS/mを示す深度と,200mS/mを示す深度との相関関係はR2=0.9以上であった.これより,塩淡境界深度が未知の7箇所において地下水測定および電磁探査結果から淡水の厚さを推定し,淡水地下水賦存量を求めたところ約680万m3であった.