抄録
流水による摩耗や乾湿の繰返しを受けやすいコンクリート開水路環境下における有機系表面被覆材の劣化要因と劣化しやすい部位を明らかにすることを目的に,実際に供用されているコンクリート開水路で施工された有機系表面被覆材の表面をマイクロスコープで撮影した.その結果,早いもので2年9ヶ月の供用期間で微細ひび割れが発生していること,初期状態から存在する気泡痕が供用年数とともに発達することが確認できた.そして,日当たりと供用条件(気中部・水中部)をパラメーターとして劣化特性を分類した結果,日当たりの良い気中部で最も劣化が進行しており,直射日光による紫外線が有機系表面被覆材の劣化に関与していることが示唆された.