農業農村工学会論文集
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研究論文
熱収支法による積雪・融雪プロセスの分析
―特に,地下からの熱フラックスの役割について―
瀧本 裕士小倉 晃吉田 匡高瀬 恵次丸山 利輔
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2014 年 82 巻 4 号 p. 191-200

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抄録

本論文は,石川県林業試験場内に観測施設を設置し,純放射,地中熱フラックス等の積雪・融雪に関係する要因を実測し,積雪・融雪プロセスの解明という視点からとりまとめたものである.この結果,明らかになった点は以下の通りである.1)実測した積雪深と推定した積雪深の時期的変化,積雪の実測密度と推定密度とはおおむねよく一致した.2)積雪層に対する入射熱フラックスと放出熱フラックスの分析を行い,融雪・積雪に対する熱フラックスの種類ごとの重要性,役割を初めて明らかにした.3)厳冬期(12-2月)に積雪面上から供給される熱量と地下から供給される熱量に分けて分析し,後者が4年間の平均で32.7%を占め,多い年には約45%を占めることを明らかにした.

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© 2014 公益社団法人 農業農村工学会
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