老朽化が進行した管路に補修・補強工法を適用するためには, 埋設管(管体と周辺地盤)の現有耐力評価が必要となる.本文では, 埋設管の現有耐力を評価する手法として内面載荷法を提案する.内面載荷法は, 管内面から載荷し, 管体の変形量を測定するものである.本手法は, 管体の荷重―変形量の関係を明らかにすることで, 劣化程度, 特にひび割れの有無を評価するものである.実験対象は, とう性管である硬質塩化ビニル管(PVC管)を用いた.実験はひび割れを想定した切込みの溝を付与したPVC管で実施した.その結果, 弾性域において, 溝の有無および深さによって荷重―変形量の傾きに違いが生じることを確認した.また併せて, 円周方向における溝の発生位置の影響についても考察することができた.さらに, 荷重―変形量の関係は, 管体の管軸方向によって異なることを明らかにした.