農業農村工学会論文集
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研究論文
液状化地盤中の管路屈曲部の動的挙動に関する検討
井谷 昌功藤田 信夫有吉 充毛利 栄征河端 俊典
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2016 年 84 巻 1 号 p. I_1-I_8

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抄録

圧力管路の曲管部には, その屈曲角度と内圧の大きさに応じたスラスト力が作用する.そのため, 曲管の安定性を確保するためにその背面の受働土圧などを抵抗力として構造設計するが, 基礎材が液状化し, その抵抗力が減少することまでは想定しておらず, 地震時に曲管部の継手離脱などが発生している.パイプラインの地震時の安全性を定量的に評価するためには, 地盤の液状化の影響を考慮した挙動解明が重要である.そこで, 本研究では液状化地盤中でスラスト力を受ける曲管部を含む継手構造管路を対象とした振動実験を実施し, 曲管部周辺の管路挙動を検証した.その結果, 周辺地盤全体が液状化するような条件では, 管の基礎を砕石とするだけでは継手離脱が発生し, 対策として不十分であることが明らかとなった.また, 曲管変位に追従するための対策として鎖構造管路の有効性が確認できた.

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© 2016 公益社団法人 農業農村工学会
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