抄録
現在,多くの農業用管路は老朽化によって改修の時期を迎えている.老朽化した管路は,漏水や流量低下および地震時に破損する危険性がある.老朽化した管路の改修工法として,管路更生工法が採用されている.しかしながら,地震時による地盤のせん断変形時において,老朽化した既設管が更生管に与える影響は未だ解明されていない.本研究では,地盤のせん断変形が更生管に与える影響を明らかにするために,せん断実験および2次元DEM解析を実施した.その結果,既設管が更生管の変形に与える影響度合いは損傷程度と地盤の相対密度に応じて,3つに分類されることが明らかとなった.また,既設管の損傷程度および地盤の変形係数,更生管の環剛性によって,地盤のせん断変形に対する更生管のたわみ量の予測式を提案した.