ハイドロフォンを用いた砂礫質量の推定法を現地の農業水路で検証する.この推定法では砂礫質量を大小二つに分級するモデルを作成する.しかし種々の雑音発生が見込まれる現地では,同定に取得したデータをそのまま利用することが難しい.そこで,砂礫の衝突で得られるパルス数は,音圧を階級,パルス数を度数とするヒストグラムの単峰性確率分布で表されることを仮定し,モデル化に必要なデータを抽出した.また,現地への適用性を考慮して,対象砂礫の質量に関わらず,背景雑音と多重衝突雑音の混入が見込まれるデータを棄却してモデルを適用した.その結果,常時雑音の影響下にある現地でも,提案したモデルによる良好な質量分級が確認された.