農業農村工学会論文集
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研究論文
衝撃摩耗に対するモルタル系水路補修材の耐久性評価
松田 展也宮村 和孝森 丈久
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2018 年 86 巻 1 号 p. I_27-I_34

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抄録

全国の農業水利施設で機能保全対策が行われており,劣化した水路断面を修復するためにモルタル系補修材がよく用いられている.これらの補修材は,開水路などの,流水や流水中の砂によって摩耗した部位に使用されているが,落差工のように石礫の落下衝撃によって摩耗した水利構造物に対する適用事例は少なく,衝撃摩耗に対する耐久性評価が求められている.そこで,モルタル系補修材を落差工のような衝撃摩耗を受ける部位に使用した場合の耐久性を確認するため,石礫を模擬した鋼球を落下させる衝撃試験を行った.その結果,繊維補強セメントモルタル,ポリマーセメントモルタル,普通コンクリートの順に衝撃摩耗に対する耐久性が高いことが分かった.また,既存コンクリート上をモルタル系補修材で被覆する場合,厚さ30mmとすることで母材コンクリートへの保護効果が期待できることが分かった.

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© 2018 公益社団法人 農業農村工学会
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