農業農村工学会論文集
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研究論文
畑地で越冬したトウキョウダルマガエルの這い出し条件に関する事例的研究
中島 直久野田 康太朗守山 拓弥森 晃渡部 恵司田村 孝浩
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2018 年 86 巻 2 号 p. I_225-I_234

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抄録

春季におけるトウキョウダルマガエルの生息場保全策の検討に向けて, 本種が冬眠から目覚めて地上へ這い出す際に残す這い出し穴の形状を特定し, ニラ畑と裸地の2圃場において這い出しの時期と, その時の地温および降水量との関連を調べた.対象地の這い出しは4月中旬~5月下旬に行われ, 2山のピークが確認された.調査日間の日平均這い出し穴数, 日最高・最低地温, 期間最大連続雨量を指標とすると, 這い出しは日最高地温が12~15℃の範囲で開始した.両圃場において日平均這い出し穴数と期間最大連続雨量との間に正の相関関係が認められた.これらの結果から, 本種は日最低地温が特定の温度以上において降雨がある場合に, 越冬を終了して地上へ這い出すと推測された.

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© 2018 公益社団法人 農業農村工学会
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