農業農村工学会論文集
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研究報文
土壌水分計を用いた圃場内の水分分布測定に基づく代表地点の選出
亀山 幸司宮本 輝仁岩田 幸良
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2019 年 87 巻 2 号 p. II_113-II_121

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抄録

昨今, 圃場における水管理の省力化や作物の高品質化等のため, 土壌の水分状態を監視して作物に灌水するシステムの導入が検討されている.このシステムの導入を検討する上で, どの位置の土壌水分を基準に管理するのが妥当かを検討する必要があると考えられる.Time stability概念に基づいて代表地点を選出する手法は, この問題を解決する可能性がある.そこで, 我が国の農地において特徴的な黒ボク土圃場(畑圃場)と水田転換畑圃場(水田圃場)を対象に, FieldScout TDR300を用いて表土(0~20 cm深)の複数地点の土壌水分測定を経時的に行い, その結果にTime stability概念に基づいて代表地点を選出する手法を適用した.TDR300による圃場内の複数地点の測定値に対して, 地点毎の平均平方二乗誤差を算出し, 地点間で比較することにより, 圃場内で平均的な土壌水分を示す代表地点を選出できることが確認できた.

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© 2019 公益社団法人 農業農村工学会
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