カーブナンバー法は,日降雨量とその降雨が発生したときの土壌状況等から決まるカーブナンバー(CN)の値から直接流出高を計算する方法であるが,適用する条件によっては精度が良くなく,アメリカ国農務省や研究者により簡易な修正が提案されている.ガーナ国北部州の既存ため池を対象として,簡易な修正のうちa)標準のCNを用いた方法,b)平均CNを用いた方法,c)先行降雨を考慮に入れた方法,d)初期遮断比を変更した方法,についてCNの適用性を検討したが,いずれの手法も直接流出高の再現性が良くなかった.このため,アフリカで比較的容易に入手可能な雨量データを用いた重回帰分析によりCNを推定するモデルを考案し,検証を行った.この結果,日降雨量の自然対数,旱天日数,降雨強度を用いたモデルのNSE(Nash-Sutcliffe efficiency)は0.74となり,満足な結果を与えるモデルとなった.