現在, 新規導入品目の一つとしてソバが着目されている.ソバは湿害の影響を受けやすく, 収量が極端に減少する事例があり, 湿害に関する情報が農業生産法人, 栽培農家, 市町村のソバ栽培担当者から求められている.そこで, 本研究では, 秋田県羽後町を事例として市町村全域のような広域を対象にソバ収量の空間分布の把握, ソバ収量と地形, 土壌, 排水改良事業の有無, 暗渠排水能力との関係性を解析した.その結果, 羽後町では谷地のような湿害リスクが高い地形にある圃場でもソバが栽培されており, そのような圃場では収量が低いこと, また, 低平地では暗渠が湿害リスクを低減させていることが分かった.このように羽後町においては, 地形と排水改良事業の有無, 暗渠排水能力で, 湿害リスクをおおよそ推定できることが分かった.