営農型太陽光発電施設に対する地域住民による景観評価特性の解明

抄録

本研究では，営農型太陽光発電施設の開設に対する地域住民の理解を得るための方策の検討に向けて，営農型太陽光発電施設のある景観に対する地域住民による景観評価の特性とその規定因子の解明を行った．主な結果は以下の通りである．①因子分析の結果，「親近感」，「開放感」，「規模感」の景観評価を規定する3つの因子が抽出された．②3つの因子のうち影響度が大きい「親近感」が高い人は施設に対する受容態度が肯定的であった．したがって，施設の認知や施設のメリットを住民に啓発することで「親近感」を高めることが重要である．③近景では「開放感」が低かったことから，施設が「開放感」の阻害要因となっていると考えられる．そのため，施設の設置の仕方に関する対策を通じて，「開放感」の阻害を軽減することが有効であると考える．