抄録
さまざまな平衡溶液条件下での粘土・水素の分散・凝集挙動と流動特性を,矛盾なく統一的に解釈するために,拡散2重層理論とヘテロ凝集理論に基づいて,粒子間結合様式の存在状況を計算する手順を展開した。粒子間結合様式として,面・面結合,端・面結合,端・端結合の3種を想定し,それらが存在する可能性を,塩の価数と濃度およびサスペンジヨンpHを変えて試算した。その結果,各結合様式が卓越する塩濃度とサスペンジョンpHの条件が特定でき,このような計算法が,粘土・水系の分散・凝集挙動流動特性の理解において有効であると推定された。