抄録
都市近郊の入耕作率の高い自治体を対象に, 入耕作農地の分布, 利用状況の観察, アンケート調査による今後の農地利用意向の把握を行った. 入耕作農家の居住地は隣接地域に多く, 都心方面に広く分布している. 都心方面に居住する農家の入耕作農地は農用地区域内に多く分布している. 入耕作農家と地元農家の農地管理状況を観察し比較した結果, 入耕作農地は地元農家のそれと比べ作目の異質性が認められ, また夏期においては入耕作農地の管理低下割合が高くなった. 入耕作農家の居住地による性格の違いを検討すると, 都心方面居住農家の経済規模は大きく, 通作距離は長いものの農地利用意向に関して消極的な回答が少なかった.