抄録
近年, 過疎化と高齢化が進む農山村地域では, 農業農村整備事業, とくに農道整備が重要になっている. その場合, 自然景観の保全の観点から切土法面が問題になる, ここでは, 農道切土法面を対象に, 潜在的な要因を介して, 対象の物理的状況とそこから導かれる主観的・心理的状況との関係を, 共分散構造モデルを用いて分析した. その結果, ここで示した景観評価モデルは, 景観評価における対象の物理的要因と主観的・心理的要因とを適切に仮定して, その因果関係を統計的に検討することができ, また, 景観整備にかかる支援情報を得ることが可能で, 整備計画の設計者にとって有用なものであると考えられる.