抄録
北関東ローム下層から供試土を不撹乱採取し, その孔隙構造と水・空気の透過特性を測定・分析し, 粗孔隙の透水・通気・排水機能に関わる役割を検討した.結果として,(1) 供試土の粗孔隙と微細間隙の境界はpF1.8付近と判断された,(2) 最大径をもつ管状孔隙の屈曲度が高く, 直径50~300μmの孔隙が透水構造の網状的・組織的機能を有していた,(3) 粗孔隙の透水, 通気, 排水機能は各々分化しており, とくに透水・通気特性は限界負圧と正の相関があり, 限界間隙の構造が透水, 通気性に強く影響を及ぼしていた, などを考察した.