抄録
モデル斜面を用いて、耕盤層を有する不飽和成層斜面中における降雨浸潤下での二次元の水分移動を明らかにした。モデル斜面 (斜度8°、12°) に異なる定常降雨強度 (80、100、125、150mm h-1) を与えると, 斜面方向への側方流の発生だけでなく耕盤層上方において宙水的な地下水面 (Perched Water Table、 PWT) が発達した。定常状態における飽和領域で発生する流れに注目し、斜面における表面飽和の形成を予測する概念として、復帰流発現点 (Retum Flow GeneratingPoint、 RFGP、降雨浸潤により復帰した斜面中の宙水的な地下水面が地表面と交差する点) を導入した。8回の実験から観測されたRFGPについて考察し、耕盤層の有する均一な成層長斜面におけるRFGPの意味を明らかにした。