農業土木学会論文集
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多孔質管地中灌漑の実用性向上について
低正圧間断灌漑の実用性と負圧連続灌漑による根巻き防止効果
岩間 憲治金木 亮一谷川 寅彦矢部 勝彦
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2006 年 2006 巻 245 号 p. 701-705

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抄録
素焼き多孔質管を直列に配した地中灌漑法に関して, 複数の条件で実用性を検証した.まず, 管内の設定水位を0.03mに設定したまま1日あたりの給水時間が30分の間断灌漑でトマトを栽培した.その結果, 管周辺の土壌水分環境に応じて給水量は0.5-1.2L・d-1・株-1の間で変化し, 作物生長も良好であった.次に, 管内水圧を負圧に維持した状態で, 防根シートが給水特性にどのように影響するか検証した.ここでは防根シートを用いた試験区と用いない試験区を設定して供試作物としてナスを栽培した.その結果, 両試験区とも状況に応じて設定水位を-0.10--0.17mの間で変化させたが, 茎葉繁茂・果実肥大期における平均給水量は1.9L・d-1・株-1で生産量もほぼ同じであり, 防根シートが存在しなくても給水量が大きく減少することはなかった.また, トマトもナスも必要給水量が2-3L・d-1・株-1であることを考慮すると節水効果が期待できた.
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© 社団法人 農業農村工学会
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