農業農村工学会論文集
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減圧蒸留によるメタン発酵消化液ろ液からのアンモニアの分離とろ液の濃縮
山岡 賢柚山 義人中村 真人
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2007 年 2007 巻 250 号 p. 393-401,a1

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抄録

メタン発酵消化液の脱水ろ液の濃縮・減量方法として, 著者らは単蒸留装置を用い減圧条件設定の違いで脱水ろ液の蒸留液を放流可能な清浄な水質の液とアンモニア水溶液 (NH3濃縮液) に時間的に区分して回収するSimdcap法を開発した. 本論文では, 同法によるNH3濃縮に要する時間及びNH3濃縮液量の予測方法を明らかにした. 予測方法は脱水ろ液のアンモニア性窒素濃度 (NH4-N) と蒸留液の留出速度を初期条件として, それらの値を予測する. 例えば, NH4咽濃度を1,500mg・l1, 留出速度を2%・h-1 (%は初期脱水ろ液量に対する蒸留液の体積割合を示す.) とするとNH3濃縮に9.6hを要しNH3濃縮液量が19%となるとの結果を得る. さらに, 濃縮に伴う脱水ろ液中の溶存物質の析出等による蒸発器内の付着物量を調査し, 脱水ろ液の濃縮率が90%を上回ると急激に付着物量が増加することを明らかにした.

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