農業農村工学会論文集
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炭素安定同位体比を利用した谷津内クモ類の炭素起源の推定
森 淳水谷 正一松澤 真一
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2007 年 2007 巻 251 号 p. 565-571,a2

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抄録

谷津田地域の農業水路と, これに隣接する畦畔に生息するクモ類の炭素安定同位体比 (δ13C) を, 生活型ごとに解析した. 造網性種の平均値は-26.0%. となり, 里山から供給された有機物に依存する, 水路から羽化した昆虫の影響を受けていた. 樹上俳徊性種のδ13Cは造網性種に近かったが, 標準偏差は造網性種と比べて大きかった. 地上俳徊性種のδ13Cは-22.2%. となり, C4植物の影響を受けて高くなった. 地上俳徊性種のδ13Cはクモ類を支える食物連鎖の植物群落におけるC3植物とC4植物の割合を反映しており, その体を構成する炭素の約1/3がC4植物由来と考えた. 里山と水田の間のエコトーンである谷津田の水路周辺において, 生物を通じた物質フローの多様性を, δ13Cを用いてとらえることができた.

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© 社団法人 農業農村工学会
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