2007 年 2007 巻 251 号 p. 583-591,a3
鳥取県湖山池を対象に密度成層の形成過程と破壊過程について鉛直1次元拡散モデルにより検討した. 鉛直渦動拡散係数は局所リチャードソン数の関数としてモデル化し, それに含まれるパラメータは遺伝的アルゴリズムを用いて水域に最適な値として決定した. その結果, 本モデルは実測値を良好に再現できた. 数値実験の結果, 風速5.0m/s以下で水温日成層が形成され, 風速により密度界面の位置が1.5~3.0mの範囲で変動することを示した.また, 成層破壊に要する吹送時間は風速の指数関数で与えられた. さらに, 水深約6.0mの最深部において夏季に3.0m以深で貧酸素化・無酸素化になる要因を, 数値実験の結果を踏まえて風速, 密度界面, 補償深度と関連付けて考察した.