農業農村工学会論文集
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生物保全型水路導入に対する非農家の協力意向分析
農業用水路の維持管理に参加義務のある非農家を対象として
合崎 英男小池 修泉澤 弘子
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2007 年 2007 巻 252 号 p. 695-702,a3

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抄録

本稿の課題は, 生物保全型に改良したと仮定した農業用水路の維持管理について, 農業用水路の維持管理に参加義務のある非農家を対象として協力意向の規定要因を統計的に分析することである. 2004年6月に平地農業地域である宮城県T町で実施した質問紙調査から得たデータに基づいて, 1) 調査時点での維持管理作業への参加状況, 2) 生物保全型水路の維持管理作業への参加意向, 3) 生物保全型水路の維持管理費用の負担意向の3点を分析した. その結果, 非農家の維持管理作業への協力行動を導くための方策としては, 1) 地域の農業全体についての理解を促進すること, 2) 簡単な作業にまずは一度参加してもらうこと, 3) 施設の環境面での問題や多面的機能への関心を高めたり, 直接的に施設を活用する機会を提供すること, が示唆された.

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© 社団法人 農業農村工学会
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