2008 年 2008 巻 254 号 p. 205-209,a3
地すべり等の安定指標で古くから検討されてきたc-tanφ 図を利用した設計手法 (逆算法) を考慮した地震時での円弧すべり安定評価手法を, ひずみ軟化モデルを用いた弾塑性有限要素解析で比較・検討した.地震時にひずみ軟化挙動を示す斜面モデルに対して, 従来型の逆算法では, すべり面の位置を一義的に決定することはできない.しかし, 本解析手法はそれらを自動的に算出し, 破壊時付近での限界水平震度や勢断ひずみが局所的に集中してくるすべり面形状を導出することが可能であるため, 地震発生に伴う地盤災害の予測に大きく寄与できる可能性を示した.