谷津内水路において非灌概期 (3月) にヨコハマシジラガイの生息分布調査および生息環境調査を行った. その結果, 本種の生息密度と礫被覆面積率に有意な正の, 岩とシルト被覆面積率および水路床の柔らかさに有意な負の相関関係が認められた. また, 谷津内の東側水路と西側水路を比較すると, 東側水路では西側水路よりも生息密度が高い傾向が見られた. 東側水路では稚貝と考えられる小型の個体から老齢の貝と考えられる大型の個体まで生息していた. 東側水路の底質は礫が優占したため, 本種の好適な環境が担保されたと考えられた. また, 岩が水路床を優占する西側水路では夏場の渇水状況において生息が困難であり, このことが, 本種の分布に影響を与えた可能性を指摘した.