農業農村工学会論文集
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獣害対策への農家の取り組み意向と集落特性
九鬼 康彰武山 絵美
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2008 年 2008 巻 256 号 p. 367-374,a1

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抄録

全国的に野生動物による農作物被害が拡大しつつある中, これまでの個別農家による対策実施ではなく, 集落ぐるみで住民が協力し被害の防止・軽減を図る取り組み方が推奨されている. 本研究では獣害の深刻な和歌山県内14地区の農家に行ったアンケート調査をもとに, 集落レベルでみた獣害対策の実施に対する農家の取り組み意向と集落特性の関連性を考察した. そして分析の結果, 水田率が低く一戸あたりの経営規模が大きい専業農家が多い地区では複数の農家で取り組む意向が強いことや, 農家数や耕地面積の減少が著しい地区では集落ぐるみで取り組もうとする農家が多くなること, 水田率が高く圃場整備済みの地区では個人的な取り組みを志向する農家が少ないことを明らかにし, 集落特性に応じた対策導入の必要性を指摘した.

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© 社団法人 農業農村工学会
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