2008 年 2008 巻 258 号 p. 529-534,a2
用水路の機能保全を図るため, 従来の構造機能に加えて水理および水利用に対する総合的な機能診断と性能設計を実施し, 機能保全対策を策定することが必要不可欠である. 本報では, 水田かんがい地区の用水路を対象に, 水路内で大発生した藻類繁茂による通水性低下の課題をとりあげた. 不等流計算を用いた水理性能照査法により, 藻類の大量繁茂時における水路側壁からの溢水区間を推定した. 溢水対策のシナリオを5案作成し, 維持管理を考慮したライフサイクルコストの算定から最適案を選定した.