保険学雑誌
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保険学雑誌第600号記念論文
保険商品の銀行窓販と拡張メカニズム
小藤 康夫
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2008 年 2008 巻 600 号 p. 600_247-600_262

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抄録

保険商品の販売チャネルは損保商品が代理店,生保商品は営業職員が主流になっている。だが,最近では「銀行による保険商品の窓口販売」も新しい販売チャネルとして注目を集めている。それは段階的に対象商品を広げながら,2007年末には保障性の高い保険商品を含めたすべての保険商品が銀行の窓口で取り扱えるようになった。これにより銀行窓販が従来の販売チャネルに代替する有力な手段として確立したことになる。本論文の目的は保険商品の銀行窓販がもたらすメリットとデメリットを整理しながら,そのことが保険会社の具体的な最終目標である保有契約高にどのような影響をもたらすかをシステムダイナミックスのソフトである「ステラ」を用いて描くことにある。それにより弊害防止措置が実行された時の拡張メカニズムを示すとともに,情報共有規制を緩めれば,さらに拡大することも明らかにしたい。これにより銀行窓販を活かす要因がわかるであろう。

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© 2008 日本保険学会
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