保険学雑誌
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【大会記念講演】
【大会記念講演】保険学会から見た隣接学会の動向
-リスク,保険,経済,近江商人をキーワードにして-
酒井 泰弘
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キーワード: 保険学, リスク学, 近江商人
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2011 年 2011 巻 612 号 p. 612_1-612_20

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抄録

本稿の目的は,日本リスク研究学会・日本地域学会・生活経済学会など,日本保険学会の隣接学会の動向について,私見を開陳することである。
リスクの経済思想と背景事情に関しては,私は五つの時代区分を提案したい。即ち,未明期(-1700年),始動期(1700-1940年),発展期(1940-1970年),成熟期(1970-2000年),及び再生期(2000年-)の五つである。
同時多発テロとリーマン・ショックを論じるさいに,最も深刻に感じることがある。それは,経済学や経済学者の実用価値自体が今や問われている,ということだ。21世紀を迎えて,「新世紀に相応しい新経済学」の創造こそが喫緊の課題といえる。そのためには,勤勉実直な近江商人から学ぶことが多い。世界的な危機の時代の中から,新しいリスク学や保険学が生まれることを期待している。

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© 2011 日本保険学会
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