2011 年 2011 巻 612 号 p. 612_87-612_94
不動産の次に高い買物といわれている生命保険の比較購買はほとんど行われていない。保険自由化以降,保険商品の種類と情報量は増えており,消費者が自己責任で生命保険商品選定をすることは現実的ではない。保険料,解約返戻率などのデータベース化と条件検索による商品ランキングなどの情報開示をするツールが必要である。とはいえ,単独の代理店が,数十もの保険会社の保険料や解約返戻金の数値をデータベース化するのは,技術面,費用面の負担が大きい。このため,保険会社全体で保険料を情報開示する共通のプラットフォームの開設が求められる。保険業法の立法主旨は,「競争原理の導入」と「情報開示」の実現であり,今後「保険料の比較」は大きな時代の要請となろう。