2012 年 2012 巻 618 号 p. 618_243-618_262
消費者の購買意思決定において「購買関与」と「商品の判断力」は極めて重要な要因である。購買関与は「どこでどのように買うか」という購買チャネルの問題,商品の判断力は「何を買うか」という商品の問題と捉えられる。本稿では保険商品の購買をショッピングとして捉え,小売業の発想と取り組みを保険業にあてはめその違いを明確化する。消費者の購買意思決定プロセスを通じて,保険の商品特性と購買形態の違いから保険商品の購買の異質性を明らかにし,購買行動にもたらす影響を考察する。
今日,消費者は保険商品を購買するためにインターネットにアクセスし,あるいは来店型店舗を訪れる等多様なチャネルを求め,自らの購買関与を深めている。あらたな購買行動に適応した保険募集の取り組みが求められる。