保険学雑誌
Online ISSN : 2185-5064
Print ISSN : 0387-2939
ISSN-L : 0387-2939
「われわれは近時のエマージング・リスクにどう向き合うべきか」—平成29年度大会 日本保険学会・日本リスク研究学会連携特別セッション—
損害保険におけるエマージング・リスクへの取組みの一例
—サイバーリスクについて—
石原 康史
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 2018 巻 642 号 p. 642_61-642_77

詳細
抄録

デジタルイノベーションの進展で,社会環境,産業構造は大きな変化を遂げようとしている。モバイル,クラウド,ビッグデータ,AIといった ITの新潮流を受け,あらゆるものにセンサー/チップが搭載され,多様な分野であらゆるモノがネットワークで繋がる IoT(Internet of Things)が大きな広がりを見せている。一方で,ネットワークで繋がるということは,同時にサイバーリスクが増大することを意味している。

加えて,サイバーリスクは地政学リスクの高まりによっても増加するが,近年,中東,アジア等,地政学リスクは高まっている。

現状,日本国内におけるサイバーセキュリティに対する認識は,米国等と比較して,必ずしも高くないが,個人情報の保護規制が国際的に広がっていることから,国内でも個人データ保護に対する意識は今後高まっていくと考えられる。

こうした状況の中,今後増大していくサイバーリスクをどのように取り扱っていくかは,損害保険会社として,重要な課題となる。

著者関連情報
© 2018 日本保険学会
前の記事 次の記事
feedback
Top