2019 年 2019 巻 646 号 p. 646_39-646_54
復活において,保険者にどの程度の裁量が認められ,どのような危険選択が許されるかという問題について,保険者の危険選択の必要性と保険契約者の契約継続への期待の保護の調整について具体的に検討することで妥当な結論を探る。失効前の健康状態の悪化という事情についても,この観点から危険選択の対象として独自の意義付けをすることが可能であると考える。しかし,失効前の健康状態の悪化という事情を危険選択の対象から全く除外することは困難であり,他の事情と総合して信義則また権利の濫用を検討できるに留まると考える。