2020 年 2020 巻 648 号 p. 648_15-648_34
日本で自動車保険が誕生してから1世紀が経過した。本稿では,日本における自動車保険の歴史的経緯を検証したうえで,今後の自動車保険の課題を考察する。
このうち歴史的経緯については,自動車保険の創設以来現在までの注目すべき項目として,創設の経緯,保険種目の推移,自賠法制定と自賠責保険創設,算定会制度の確立,損害保険市場の自由化,商品・サービスの進化が挙げられる。
一方,今後の自動車保険の課題としては,1収入保険料減少への対応,2技術革新への対応,3自動車事故被害者救済制度の再検討,などが考えられる。このうち,3自動車事故被害者救済制度の再検討については,強制保険と任意保険の二元制度の再検討や,現行制度において救済されない被害者への対応などが主たる課題である。