保険学雑誌
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研究対象としての保険判例の射程に関する一視点
—租税法・競争法・情報法の判例を素材として—
泉 裕章
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2020 年 2020 巻 648 号 p. 648_183-648_213

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抄録

近時,生命保険分野では,講学上の保険法に関する判例件数が大きく減少していると言われている。こうした状況は,保険法学界の研究対象の減少にもつながりかねない。そこで,同学界の研究対象の裾野を拡げるべく,保険法の周辺の法分野に存在する保険判例を研究対象として取り扱うことも一考に値するように思われる。

本稿では,上のような問題意識および目的の下,具体的には,周辺の法分野として,租税法,競争法,情報法の3つを取り上げたうえ,各分野に存在する保険判例(分野ごとに各1件)の紹介および考察を行った。

その結果,各保険判例の中には,保険法学界として今後の検討に値する重要な指摘が含まれているという結論を得た。このことは,講学上の保険法の研究にあたって,その他の周辺法分野も含めた保険判例を比較参照することが,有益な手法の1つであり得ることを示唆している。

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© 2020 日本保険学会
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