スキー研究
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調査・実践報告
アルペンスキー回転競技におけるタイム分析
―2016 Far East Cup(Jisan)を対象として―
近藤 雄一郎竹田 唯史
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2016 年 13 巻 1 号 p. 49-57

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抄録

本研究は韓国で開催されたFar East Cupに おける男子回転競技のタイム分析を行い,技能レベルの異 なる選手間の差異を明らかにすることを目的とした.
本研究では,1本目のゴールタイ ムに基づき,1位から15位までを「上位群」, 16位から30位までを「中位群」,30位以降 を「下位群」の3群に区分し,分析を行った.タイム分析の結果,「急斜面区間タイム」及び「急斜面区間のオープンゲートにおける1ターンの平均タイム」において,各分析対象群間で有意な差が認められた.また,全ての分析対象群において全体タイムと急斜面の区間タイムの間に有意な相関関係が認められた.
各群間で有意なタイム差が生じ,トータルタイムに大きく影響することが示唆された急斜面における各群の滑走ライン及び滑走形態について比較検討した結果,急斜面では旗門通過時のターン中盤に外向傾姿勢を形成しながら外脚荷重によってスキーのたわみを作り出し,旗門通過後は素早く抜重動作に移行し,エッジの切り換え動作を始動する高いラインどりによって滑走することが重要と考えられた.

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© 2016 日本スキー学会
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