日本図書館情報学会誌
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論文
シンガポールにおける図書館情報政策「Library 2000」の策定と公共図書館の社会的役割の変容
宮原 志津子
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ジャーナル オープンアクセス

2006 年 52 巻 2 号 p. 85-100

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抄録

シンガポールでは1994年に図書館情報政策「Library 2000」が策定されてから,公共図書館は量的質的にもめざましい発展を遂げている。本論文では「Library 2000」の策定背景を政治的経済的な要因から分析するとともに,植民地時代からの公共図書館の社会的役割の変遷について検討を行った。今日の公共図書館は読書施設,教育施設という単一の役割から脱し,国家のさらなる発展を支えるために複数の分野での役割が求められるようになった。そして開発体制における図書館の存在意義が増したことから,重点的な予算の配分や人事措置などを経て,急速的発展が遂げられた。シンガポールの図書館情報政策の独自性は,経済成長の重視と国家主導型による発展というシンガポール型開発体制と合致している点にあり,同時に図書館がその社会的役割を果たすことで,人民行動党による国家の開発体制を補完している。

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© 2006 日本図書館情報学会
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