2011 年 57 巻 4 号 p. 124-140
総合目録ネットワーク「ゆにかねっと」のレコード群を対象に,機械的な書誌同定と著作同定を試みた。どの程度機械的同定が可能であるのか,どのような選択肢が有効であるのかを検証した。DC-NDL形式の書誌レコードから指定したフィールドの値を抽出し,正規化処理を加えて同定キーを生成し,同定用に保持したデータベースと照合する方式とした。タイトルや著者の採用する範囲,同定キーの組み合わせ方,その他の選択肢について,それぞれ機械的同定処理を実行し,人手により形成した正解集合との照合に基づき評価を行った。その結果,機械的な書誌同定と著作同定はともに十分に機能することが示された。併せて,1)採用した正規化処理の有効性,2)シリーズタイトル以外のタイトルとそのよみの包括的な採用,タイトルの分解・組み立ての採用の有効性が,また3)著者とそのよみの包括的な採用,出版者による著者の代用の有効性がそれぞれ示された。