抄録
本研究は,漢字圏の中国語母語話者(CLJ)が未知の単漢字和語の意味を推測する際,使っている推測手がかりにおける古典中国語の使用状況を考察する。CLJ が使用する意味推測ストラテジーの状況は,和語の推測テストと推測手がかりに関するアンケートによって調査した。その結果,CLJ は古典中国語を使っているが,現代中国語と文脈より頻度が少なく,本研究で分類した和語の種類ごとに使っている推測手がかりにも違いが出た。具体的な推測
手がかりは,現代中国語と古典中国語の同根語知識,偏と旁のメタ言語学的知識,文脈からの情報および常識など様々であることが明らかとなった。また,それに基づいて単漢字和語の教育と学習について提案した。