抄録
本稿は第98回研究会で行った座談会の記録である。日本語教師の抱く漢字指導への不安は、教師用の書籍などで解決することも多いが、解決しない問題に、いつ何をインプットすべきなのかという点がある。そこで、「漢字科目の初回授業を担当するとしたら、何を教えるべきだと思うか」という質問に答える形で、グループで意見を出し合った。グループAは、漢字は、見て意味がわかること、漢字の訓読み語から教えること、漢字を(書きたい人は)書いてみること等を挙げた。グループBは、漢字ができるまでの歴史を、媒介語を使って伝えたり、クイズ(カタカナがどの漢字からできたのか)をしたりすることから始めるとした。グループCは、基本的な運筆(左から右、上から下)や画数、カタカナとの関係、漢字のパターン、漢字学習ストラテジー等を伝えるとした。グループDは、最初に「漢字とは何か」に関するレクチャーを行い、手書きの重要性、個別学習の重要性、学習管理の重要性等について説明するとした。