日本ロービジョン学会学術総会プログラム・抄録集
第10回日本ロービジョン学会学術総会
セッションID: P103
会議情報

ポスター第1会場
韓国語におけるMNREAD形式の読書評価
*小田 浩一李 嘉賢
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録


【目的】韓国語について視覚的な読み能力を評価する評価チャートを作成し、視覚正常の被験者に試用したので報告する。

【対象と方法】27文字からなる韓国語の平易な文章を多数作り、読めるぎりぎりの文字サイズよりも小さいサイズから、50ポイント程度のサイズまで0.1logずつ変化させながら、韓国の明朝体を用い2400dpiで印刷したMNREAD形式の読書評価チャートを試作した。これを用い19名の韓国語を母国語とする視覚正常の被験者に読み評価を実施した。うち13人には、1~2週間の期間をおいて2回目の測定を行った。同時にランドルト環による視力検査も実施し読書視力との関係を見た。

【結果】文字サイズが大きい間は安定した高い読み速度が得られ、一定の文字サイズを境に文字が小さくなると急激に速度が低下するという、英語や日本語など他の言語・文字について観察されているのと同様の読書速度の関数が得られた。読書視力文字サイズ、臨界文字サイズ、最大読書速度を他の言語と同じ方法で推定することができた。近見視力と読書視力、読書視力と臨界文字サイズの間に高い相関(それぞれr=0.71と0.79)が得られた。

【結論】読み材料の言語的な統制を精緻化する必要が残されているが、韓国語についても読書関数や臨界文字サイズを測定することができ、読書評価チャートの試作としては十分な成果をあげることができた。結果は他の言語で知られている知見と基本的な性質として一致するものであった。

著者関連情報
© 2009 日本ロービジョン学会
前の記事 次の記事
feedback
Top